子どもの就職活動を応援したい。
そう思う一方で、「どこまで口を出していいの?」「何と声をかければいい?」「見守るだけで大丈夫?」と、関わり方に悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、「保護者向け就活サポート講座&企業交流会」の開催を前に、講師を務める服部鈴香さんに、今どきの就職活動や、保護者だからこそできる“ちょうどいいサポート”についてお話を伺いました。

服部 鈴香さん(株式会社穴吹カレッジサービス 主任)
キャリアコンサルタント、キャリア・デベロップ・アドバイザーとして就職支援業務に携わる。
大切なのは「出すぎず、引きすぎず」
今回の講演を通して、服部さんが保護者の方に特に伝えたいのが、子どもの就職活動における“距離感”です。
子どもを応援する気持ちが強いほど、保護者が本人よりも前に出てしまうことがあります。服部さんは、今の就活事情を理解した上で、前に出すぎず、かといって引きすぎず、サポートする側に回ることが大切だと話します。
子どものために企業を調べたり、情報を集めたりすること自体が悪いわけではありません。ただし、親が先回りしてすべてを決めるのではなく、あくまで本人が考え、選べるように支えることがポイントです。
「口出し」と「サポート」の違いは、“誰が決めるか”
では、「口出し」と「サポート」は、何が違うのでしょうか。服部さんが挙げたポイントは、とてもシンプルです。
例えば、子どもが興味のある業界について、「こんな会社があるみたいだよ」「よかったら一緒に調べようか?」と情報を提供することは、選択肢を広げるサポートになります。
一方で、「この会社にしなさい」「ここを受けた方がいい」と、保護者が進む方向まで決めてしまうと、本人の就職活動ではなくなってしまいます。
就職するのも、その会社で働くのも子ども本人。だからこそ、保護者は情報を集めたり、選択肢を示したりしながら、最後の決定は本人に任せることが大切です。
「まだ決まってないの?」その一言がプレッシャーになることも
就活中の子どもとの会話も、保護者が悩みやすいポイントです。服部さんが注意してほしいと話すのが、ほかの人との“比較”。
「まだ決まってないの?」「友達はもう決まったの?」。心配しているからこその言葉でも、就活中の本人にとってはプレッシャーになる場合があります。
だからといって、何も話さない方がいいというわけではありません。ポイントは、保護者側の考えを押しつけるのではなく、本人の気持ちを確認しながら関わることです。
例えば、「一緒に考えようか?」「よかったら調べようか?」「聞いてこようか?」というように、まずは提案してみる。本人から「お願い」と言われれば手伝い、「大丈夫」と言われれば一度引いてみる。
服部さんは、こうした語尾を問いかけにする声かけなら、本人の意思を尊重しながら関わりやすいのではないかと話します。

今の就活を知れば、保護者の言葉も変わる
保護者の関わり方を考える上で、もう一つ大切なのが、現在の就職活動について知ることです。
服部さんによると、保護者世代が就職活動をしていた頃と比べ、今は早い段階から企業研究やインターンシップなどに取り組む学生も多くなっています。
また、数多くの企業へ応募するというより、企業についてしっかり調べた上で、応募先を絞って就職活動を進めるケースもあるといいます。
エントリーシートを書き、企業について調べ、選考に備える。一社に応募するだけでも、学生にはさまざまな準備が必要です。
そうした現状を知らずに「もっとたくさん受けたら?」と言うのと、「一社受けるにもいろいろ準備が必要なんだね」と理解した上で声をかけるのとでは、子どもの受け止め方も変わってきます。
親世代と今の世代では就職活動の仕方が違うからこそ、まずは今の就活を知った上でサポートすることが大切です。
「見守る」と「ほったらかし」は違う
就職活動が思うように進まなかったり、不採用になったりしたとき、保護者としては「何か声をかけなければ」と思うかもしれません。
ただ、励ましの言葉が力になる人もいれば、同じ言葉を負担に感じる人もいます。服部さんは、無理に就活の状況を聞き出すのではなく、本人が話したくなるまで待つことも一つの方法だと話します。
一方で、「本人に任せる=ほったらかし」ではありません。就活がどのような状況なのか、要所要所で様子を確認することも大切です。
「最近どう?」「何か手伝えることはある?」「必要だったら声をかけてね」。そんなふうに、普段の親子関係に合わせながら、必要なときに手を差し伸べられる距離で見守ります。
また、就活に必要な交通費を支える、移動を手伝う、ご飯を作るなど、言葉以外にも保護者だからこそできるサポートがあります。
前に出すぎない。でも、離れすぎない。ここでも「出すぎず、引きすぎず」の距離感が大切です。
親だけで悩まず、第三者を頼るという選択肢も
子どもの就活について心配になると、「親として何とかしなければ」と考えてしまうこともあります。でも、すべてを家庭だけで解決する必要はありません。
大学のキャリアセンターをはじめ、とくしまジョブステーション、ジョブカフェとくしま、ハローワークなど、就職活動について相談できる窓口があります。
親子だからこそ言いにくいことも、就職支援の専門家になら相談しやすい場合があります。
保護者から「こういう相談先があるみたいだよ」「よかったら行ってみる?」と選択肢を伝えることも、一つのサポートです。
人事担当者と“実際に働く人”の両方から聞ける企業交流会
当日は、服部さんによる講演に加え、県内企業による企業交流会も予定されています。
企業からは、人事担当者と実際に働いている社員が参加予定です。
「どんな人材を求めているのか」という採用する側の話と、「実際に働いてみてどうなのか」という社員側のリアルな声。その両方を聞けることが、今回の交流会の見どころです。
保護者自身が今の企業の考え方を知ることで、子どもの企業研究や自己PRをサポートするときのヒントにもつながります。
さらに、会場参加では、気になった企業の担当者へ直接質問できる時間も設けられる予定です。普段はなかなか聞く機会のないことを、企業の方へ直接聞ける貴重な機会です。
就活が始まってからではなく、「少し早め」に知ってほしい
今回の講座は、現在まさに就職活動中の子どもを持つ保護者だけを対象にしたものではありません。
服部さんは、これから高校や大学へ進学し、将来就職活動を迎える子どもの保護者にも、早めに今の就活について知ってほしいと話します。
就活が本格化し、親子ともに余裕がなくなってから考えるのではなく、その前から知識を持っておく。そうすることで、いざ子どもが就活を始めたときにも、慌てずにサポートできるかもしれません。

今回の講座を一言で表すと――「親と子の就活」
就活をするのは子ども本人。でも、保護者も今の就活を知り、子どもの意思を尊重しながら支えることで、できることがあります。
8月29日に参加できない方へ――後期にも講座を開催します。
「参加したいけれど、8月29日は都合が合わない」という方に向けて、後期にも「保護者向け就活サポート講座」を開催します。
- 【第1回】基礎編/オンライン形式:10月17日(土)10:00~11:00
- 【第2回】実践型/ハイブリッド形式:12月19日(土)14:00~16:00【会場:toku-Noix(とくのわ)】
当日駐車料金を上限1,000円まで負担!
さらにQUOカードPay1,000円分のプレゼントもあります!(条件あり)
8月29日に参加できない方はもちろん、これから子どもの就職活動に向けて準備を始めたい方も、ぜひご参加ください。
最後に、参加を検討している保護者やご家族、支援者の方へ、服部さんからメッセージをいただきました。
「気軽に聞きに来ていただいて、一緒に勉強しませんか?」
子どもの就活を応援したい。その気持ちを、本人にとってよりよいサポートにつなげるために。
まずは、今の就活と“ちょうどいい関わり方”を知ることから始めてみませんか。