2026年8月21日(金)、学生や県内企業、大学・就職支援機関、Uターン経験者、求職者など、さまざまな立場の参加者が集まり、第1回意見交換会を開催しました。
若者や女性に「徳島で働く」という選択肢をもっと身近に感じてもらい、その魅力を届けるプロジェクトの一環として開催する全3回の意見交換会がスタートしました。
第1回のテーマは、「徳島の人材確保に関する現状や課題」。
「なぜ若者は県外へ出るのか」「徳島で働くことを選択肢にしてもらうためには何が必要なのか」。それぞれが日頃感じていることや自身の経験を持ち寄り、立場を越えて率直な意見を交わしました。
全3回のスタートとなった今回。ここから見えてきた、“徳島で働く”の現在地をお届けします。
🗣️ Uターンして気づいた「徳島で働く魅力」
Uターン経験者の講師:前田あゆみさん(株式会社すだっち阿南)
はじめに、株式会社すだっち阿南で大正大学地域創生ソリューションパートナーとして活動する前田あゆみさんから、ご自身のUターン経験を交えながら、「徳島で働く魅力」についてお話しいただきました。
前田さんは、阿南市出身。県外への進学・就職を経て徳島へUターンし、現在は地域の魅力発信やまちづくりなど、幅広い活動に携わっています。かつては「早く徳島を出たい」と思い、県外で「徳島ってどんなところ?」と聞かれても、「何もない」と答えていたという前田さん。
しかし、県外での生活を経験し徳島へ戻った今、感じているのは、地域の人とつながりながら、まだ誰もやっていないことに挑戦できる地方ならではの面白さだといいます。
また、高校生と地域の人が一緒にイベントやワークショップに取り組む活動などを紹介し、若いうちから地域の人や仕事と接点を持つことが、将来徳島に戻るきっかけになるのではないかというお話もありました。
情報発信についても、単なる「宣伝」ではなく、若者が「自分に合う会社か」「安心して働けそうか」を判断する材料となるような、企業や地域のリアルな情報を届けることの大切さが語られました。
💬 立場は違っても、共通して見えてきた3つの課題
意見交換会の様子
講演後はグループに分かれ、企業、大学・就職支援機関、学生などの立場から「徳島の人材確保」について感じている課題を出し合いました。
立場や経験が違えば、見えている課題もさまざま。一方で、意見を出し合っていくと、いくつかの共通するポイントも見えてきました。
1.徳島の企業や仕事の情報が、十分に届いていない
両グループから挙がったのが、徳島の企業や仕事に関する「情報不足」です。
「徳島にはどんな会社があるのか分からない」
「仕事を探そうと思っても、どこで情報を探せばいいのか分からない」
企業が情報を発信していても、必要としている人まで十分に届いていなかったり、そもそも情報を得るための場所や方法が知られていなかったりするのではないかという声が挙がりました。
また、仕事だけでなく、遊ぶ場所や地域での過ごし方なども含めて、徳島そのものへの関心が薄れているのではないかという意見も。
「徳島には何もない」と感じてしまう背景には、本当に何もないのではなく、徳島にどんな企業や仕事、暮らしの選択肢があるのかを“知る機会”が少ないことも関係しているのかもしれません。
2.徳島で働いた先の「将来」が見えにくい
もうひとつ、両グループで共通して挙がったのが「キャリア」についてです。
「入社後、どんなキャリアを歩めるのか」
「将来どのくらいの収入になり、どんな生活ができるのか」
といった、働いた先の自分の姿が見えることも大切だという声がありました。
企業側がキャリアモデルを伝えることはもちろん、若者自身が「どんな生活をしたいのか」から仕事を考える機会も必要なのではないか――。そんな意見も交わされました。
3.賃金や仕事の選択肢に対するマイナスイメージ
グループワークでは、徳島の「賃金の低さ」や「職種の幅の狭さ」といった、働く環境そのものについての意見も挙がりました。こうしたイメージが、「徳島には何もない」「県外に出た方が選択肢が多い」という意識につながっているのではないかという声もありました。
一方で、徳島でも副業・ダブルワークなど、一つの会社や仕事だけにとらわれない働き方ができる環境が広がっているものの、そうした選択肢自体が十分に知られていないのではないかという意見も。
条件面の課題を考えることはもちろん、「徳島でどんな働き方ができるのか」を知ってもらうことも必要だという話につながりました。
学生のうちから、徳島を知るきっかけを
これらの課題を考える中で繰り返し出てきたのが、就職活動が始まるよりも前から、徳島の企業や仕事、地域と接点を持つことの大切さです。
企業や行政と一緒に取り組むワークショップや職業体験などを通して、中学生や高校生の頃から「徳島にはこんな企業がある」「こんな働き方をしている人がいる」と知ってもらうことが重要です。
また、自分が将来どんな暮らしをしたいのか、どんな仕事をしたいのかを考える機会を持つことは、その後の進学先や学部を選ぶ際にもつながっていきます。
そうした経験の積み重ねが、進学や就職を機に一度県外へ出たとしても、いつか「徳島に戻って働く」ことを考えるきっかけになるかもしれません。
💡 第1回で見えてきた、“徳島で働く”の現在地
今回の意見交換会で見えてきたのは、単に「徳島の魅力をもっとPRすればいい」ということだけではありませんでした。
徳島にどんな企業や仕事があるのかを知ること。働いた先のキャリアや暮らしをイメージできること。そして、自分に合った仕事や働き方の選択肢を見つけられること。これらの意見を通して、「徳島で働く」をより身近な選択肢にするために大切なことが見えてきました。そのためには、企業側が働き方や将来のキャリアを分かりやすく伝えることはもちろん、学生の皆さんに早いうちから地域や企業と接点を持ち「どんな仕事をしたいのか」「どんな暮らしを送りたいのか」を考えてもらうことも大切です。
徳島の企業や仕事を知ることと、自分自身の将来を思い描くこと。その両方が、「徳島で働く」という選択肢につながっていくのかもしれません。
第2回では、今回出てきた意見を踏まえながら、若年層や女性に「徳島で働く魅力」を届けるためには、どのような情報や伝え方が必要なのか、さらに意見を深めていきます。

第1回意見交換会 参加者の皆さん
全3回の意見交換会で寄せられる声や、そこから見えてくる「徳島で働く魅力」については、現在制作中の『徳島で仕事みっけ7』でもご紹介する予定です。
これからどんな意見やアイデアが生まれるのか。第2回、第3回の意見交換会にもぜひご注目ください!