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HOMEインターンシップ・職業体験企業特集昔ながらのものづくりで自然の恵みに息吹を【徳島で仕事みっけ⑥】

昔ながらのものづくりで自然の恵みに息吹を【徳島で仕事みっけ⑥】

花菱商店

入り口をくぐると、鼻腔をくすぐる“おだし”の豊かな香り。吉野川の河口近くに本拠を構え、102年に渡り受け継がれた技術で削り節を製造するのが『花菱商店』だ。初代は削り節が工業的に加工されるようになった大正時代初期にいち早く目をつけて創業。原料のカツオ節やイワシ節、サバ節の生産地である高知県や愛媛県に隣接しているという地の利を活かし、安価で質の良い削り節の生産を始めた。昭和の戦火をくぐりぬけ蓄積された技術と経験で丁寧に削られた商品は、飲食店向けなどの業務用のほか家庭用にも小売店等で販売されている。

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工場に併設された店舗に並ぶ削り節や乾物商品の数々。小売店や産地直売所でも購入することができる。

削り節の美味しさは原料(カツオ節・サバ節・イワシ節)の質で全てが決まるという。『花菱商店』では古くから付き合いのある鰹節製造家と信頼関係を築き直接仕入れることで、どこで水揚げされ、どのように製造された節なのかという詳しい情報までも入手。実際に目で見て、触れて、嗅いで、味わうという五感を研ぎ澄ませて選定することで、雑味が少なく香り豊かな削り節が生まれる。

本枯節(削る前).JPG
原料となるカツオ節は脂肪分が少なく筋肉質な鰹を選定。求める品質に妥協せず、選び抜いたものを仕入れることで風味豊かな削り節になる。

仕入れた原料は熟練の職人が五感を研ぎ澄ませて個体差の違いを見極め、それぞれの状態に合わせて製造機械を調整して削りだす。温度や時間管理など経験がものをいうこの作業は、100年以上の蓄積された経験と知識が支える職人技に他ならない。
そして削った直後から酸化が始まり風味が損なわれてしまうため、最新の設備で素早く気密包装することで新鮮な状態のまま県外や遠方にも届けることが可能になったという。

削り機.JPG
包装作業(削った後).JPG
原料の種類によって8種類の機械を使い分け、鮮度や風味を損なわないように素早く丁寧に削ることで最高の削り節に仕上がる。

削り節の可能性を追求して食卓に感動を

100年以上も支持されてきた理由を問うと、少し控えめな口調で答えてくれたのは4代目代表の花菱 義典さん。
「歴代の代表はそれぞれ違う視点を持って、経営スタイルが違っていた。生産を拡大しすぎず、これまでやってきたことは守りながら時代に合わせて少しずつ変化してきたから続いたのだと思います」。

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20年前に脱サラして家業を継いだ4代目の花菱社長(53歳)。
 

鍋の湯に入れるだけで出汁が取れる[だしパック]も、時代のニーズや生活スタイルに合わせて花菱さんが量産化した商品の一つ。国産天然素材のみを使用した削り節をパックに封入し、煮出すだけで手軽に家庭でも本格的な出汁が楽しめる。シンプルな鰹だしをはじめ3種の削り節が入った混合節、羅臼昆布と合わせたパックなどバリエーションも豊富で、めんつゆや汁物、煮物に豊かな香りと風味を加えてくれるのが魅力だ。

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無添加の[だしパック]は、料理に時間を費やすことが減った昨今の生活様式に合わせ、「簡単で最高のものを」という想いから生まれた。

花菱さんは削り節の可能性を信じて、自社の進む先を見据える。
「いろんなものが溢れている食生活のなかで、伝統的な食材の削り節を作り続けるのは今の時代だからこそ価値があるのかなと。小規模だからこそ飲食店などからのニーズにも応えて、品質第一でオリジナル商品を作ることができる。お客さんから“他とは全然違うね”と言われることがあって、やってきたことは間違っていなかったとモチベーションになりますね」。

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今後も「削り節を活用したふりかけや瓶詰の佃煮と合わせた加工品を増やしていきたい」と、新商品のアイディアは尽きない。

 変化する時代の中で何ができるのかを常に考え、昔ながらの製法を守りながら新たな技術も取り入れて最高の削り節を作りあげる。それこそが激動の歴史を生き抜いた県内では数少ない削り節専門店の矜持なのだろう。

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