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HOMEインターンシップ・職業体験企業特集逆風への果敢なる挑戦【徳島で仕事みっけ⑥】

逆風への果敢なる挑戦【徳島で仕事みっけ⑥】

株式会社 阿波和

世界に誇る日本文化の象徴である“着物”。しかし、ライフスタイルの変化に伴う需要の低迷や後継者不足から、近年は衰退産業の一つに挙げられることも少なくない。そんな逆風の中、国内外のニーズを探り、着物の新たな可能性を切り拓こうと果敢に挑戦を続ける企業がある。徳島県の玄関口・鳴門市に拠点を構える『株式会社 阿波和』だ。

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継承と変革の先にある、お客様の笑顔

同社の前身は1968年に創業した呉服店。二代目の現・代表取締役である井上 光さんが家業を継承し、2021年に法人化を果たした。井上さんは家業を継ぐ者として、“伝統の継承”と“新たな挑戦”の両軸に取り組むことが重要だと考えている。古き良き伝統を尊重しつつ、現代の価値観に合わせた変革を恐れず実行しなければ、業界の現状を打破することはできないからだ。こうした既成概念にとらわれない推進力は、若き経営者の強みといえるだろう。

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そして何より、その挑戦の根底には「お客様の笑顔を大切にしたい」という強い想いがある。「着物店に行くと押し売りされるのではないか」と感じる人も多いという業界のイメージを払拭し、お客様に心から喜んでいただけるコンテンツや商品を日々追求し続けている。

価値の創造と循環を志す事業展開

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現在『阿波和』は、“物販事業”と“サステナブル事業”の二本柱を軸に展開している。物販事業では、着物や和装小物の企画・デザイン・製造・EC販売を手がけ、他企業などとタッグを組んだ商品開発にも積極的だ。地元の伝統産業「阿波しじら織」の織元への現代的なデザイン提案や、世界中で活躍する阿波踊り集団『寶船』の衣装プロデュースなど、その領域は多岐にわたる。着物インフルエンサー・すなおさんとのタイアップは、自社の認知度を高め、ECサイトを成長させる転機にもなった。

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スポーツウェアなどで使われる機能的な素材を長襦袢に採用した商品も展開。

一方、サステナブル事業では着物の循環を目指し、不要になった着物の買取・再販ビジネスを展開。買い取った着物はEC販売だけでなく、姉妹店のレンタルショップでの活用や、リメイク素材への転用など、資源を無駄にしない仕組みを構築している。日本の古い着物は、優れた意匠と生地の丈夫さから海外でのニーズも極めて高い。中国では着物を反物に戻してチャイナドレスへ再生させるといった、新たな価値創出の事例も生まれている。

こうした国内外の需要を支えるのが、全国展開する買取業者との提携による仕入れルートだ。これにより、全国各地から豊富な資源を確保することが可能となった。また『阿波和』では、県内に7名の和裁士を抱え、仕立て直しなどの加工を都市部よりも低コストかつ短納期で提供できる体制を確立。そのメリットから、首都圏からの加工依頼も増加している。

地域と共創し、着物の似合うまちづくり

事業と並行し、着物文化の裾野を広げる活動にも精力的だ。保育園での風呂敷ワークショップや、鳴門市と連携した阿波踊りシーズンのレンタル浴衣促進事業、さらには「着る機会がない」という声に応える京都ツアーの企画など、和文化に触れる多様な体験の場を創出し続けている。

近年では『一般社団法人 輿開(よあけ)』を設立し、鳴門市の課題である人口流出防止や観光促進などをサポートする地域活性化事業にも着手。こうしたまちづくりも和文化の継承に繋がると考え、「ゆくゆくは、本社の10キロ圏内を着物が似合う街に変え、着物人口を増やし“阿波和ランド”と呼ばれるようなスポットを作りたい」。そんな壮大なビジョンも見据えている。

働きやすさと組織力向上を追求

こうした数々の挑戦を支えているのは、社員同士が互いに支え合うアットホームな社風だ。井上さん自身も、自らの不得意な分野をオープンにすることで、社員と助け合える関係性を築いてきた。同時に、成果を出せる組織力の向上を目指し、リーダー育成にも尽力。社員一人一人が自ら考えて動ける自走組織を目指す中で、現場の声を経営に活かすボトムアップの文化も醸成している。リユース着物をレンタルショップで活用するアイデアも、実は社員の提案から実現したものだ。

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女性や子育て世代の社員が多いことから、それぞれのライフステージに合わせた働きやすさへの配慮も手厚い。フレックスタイム制や在宅勤務を導入し、子どもの病気などによる急な欠勤時も周囲が自然とフォローし合う風土が浸透している。また、産着のプレゼントや訪問着の無料レンタルといった、着物店ならではの福利厚生も完備。社員が着物を着て街に出ることが、結果として新たなビジネスチャンスを生むきっかけにもなっている。


着物が生み出す笑顔を未来へ

家業を継ぐ前は東京で全く異なる職に就き、着物への関心も薄かったという井上さん。帰郷当時は知識ゼロからのスタートだったが、ある時、接客を担当し、購入してくれたお客様が後日「あなたに選んでもらって本当に良かった」と、わざわざ喜びの声を伝えに来てくれた。その瞬間、井上さんはこの仕事の真の素晴らしさを心底実感したという。

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これからもお客様の笑顔のために、伝統を大切に受け継ぎながらも、広い視野と柔軟な発想で変革を続ける『株式会社 阿波和』。価値ある着物文化を次世代へ繋ぐための若き経営者の挑戦は、これからも力強く続いていく。

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徳島県生活環境部 労働雇用政策課

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